カルテがない事例(肝がんによる死亡の例)で和解が成立しています

 
 B型肝炎訴訟を提起するにあたっては、診療録(カルテ)が存在する場合は提出を要求されます。
 しかし、カルテの保存期間は5年のみです(医師法24条2項)。予防接種による肝炎が進行して死亡された方でも、死亡後5年以上期間が経過されている場合には、カルテが残存していないケースも見られます。
 当弁護団では、カルテが残存しないB型肝炎の患者さんのご遺族からの相談にも、対応させていただいております。カルテ以外の資料も拝見し、見通しを説明させていただいた上、ときにはカルテに替わる資料の調査を行ったり、担当医にお話をうかがったりし、可能性がある事案では、見通しをご相談させていただいた上で、提訴しております。
そのような取り組みが功を奏し、当弁護団では2016年、2017年で、カルテがなかったにもかかわらず和解に至った例が3件以上出ております。また、当弁護団は他の地域のB型肝炎訴訟弁護団と連携して解決にあたっていますが、他地域の弁護団でも、同様にカルテがない事例での解決に至った例が出ています。
 カルテがない場合といっても、残っている資料によっては請求・和解は可能です。それぞれケースごとに異なりますので、一概に請求ができるかどうかは断言できませんが、カルテがないからと言って諦めず、まずは当弁護団、あるいは全国のB型肝炎訴訟弁護団にご相談ください。

~ ご依頼者の声(北海道原告団原告、70歳代女性) 2016年11月和解時のコメント(抜粋)

 この度和解が成立いたしました。ご尽力いただきました弁護団、担当の弁護士先生、原告団の皆々様に深く感謝申し上げます。
 平成23年に新聞の記事を見て、もしかしたらと思い、弁護団に連絡し、必要書類を送っていただきました。主人が死亡から7年以上過ぎていましたので、カルテも残っていず、手さぐりで証明できる方法をと何箇所かの病院を歩き回り、時には吹雪の中、担当弁護士さんと遠方の病院まで出向き、主治医に当時の様子を聞いたり、手術の記録をだしていただいたりすることができ、解決につながりました。
 私自身何回もあきらめようと思ってきました。皆さん、あきらめる事なく頑張ってください。何か手がかりがあります。
 力強い弁護団、原告団の方々が居てくれる事を忘れないで!ありがとうございました。